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こんにちはひげぶろです。
今回は職業訓練校のWebデザイン科に通った実体験を基に、訓練校に通うメリット、デメリットを書いていきたいと思います。
Webデザイナーになりたい!となった時に、じゃあどうやって勉強していこうかとなると思います。
独学、オンラインスクール、対面式のプログラミングスクール、職業訓練校。。
私は上記のうち独学はもちろん、オンラインスクール、職業訓練校を活用しました。
その後の転職が成功した理由にオンラインスクール、職業訓練校が影響していることは間違いありません。
ただこれだけは誤解のないように押さえておいてください。今後の判断にきっと役立ちます。
「 職業訓練校はWebデザイナースクールではありません 」
単純に制作の技術を身につけたいということであれば、訓練校の活用は必要ないと私は思います。
- 職業訓練校の概要
- Webデザインコースの受講内容
- 卒業生視点のデメリット&メリット
- 訓練期間中に必ずやっておくべきこと
- 結論:業界への転職を考えているなら訓練校はオススメしない

職業訓練校とは


まずはじめに職業訓練校について改めて見ていきましょう。
職業訓練校とは、求職者向けに新たな仕事に就けるよう様々な訓練を通じて就職をサポートする場です。
別名、離職者訓練とも言われます。
訓練期間中は職業訓練受講給付金が支給されるのでお金をもらいながら勉強することが可能です。またテキスト代などの実費負担以外は基本的に無料で利用できることや、条件を満たすことにより、失業保険の受給期間を延ばしたり、通所手当(交通費)の支援を受けられる場合もあります。



条件等は人それぞれ異なりますので詳しくはハローワークにお問い合わせください
職業訓練校・Webデザインコースの概要


私が受講した時のものなので、時期や場所によって違いはあります。
あくまで参考程度にお読みください。
募集・倍率・期間
募集は受講開始の約3ヶ月前くらいに1次募集、2次募集とありました。
私の時は地方ということもあったのか定員割れはあるにせよ定員オーバーはなかったようです。
友人が東京で応募した際の倍率はほぼ3倍だったそうです。
期間は4ヶ月とありましたが、その内1ヶ月は企業実習でしたので実質通学は3ヶ月でした。
期間に関してはまた後述しますが、実質Webデザインの受講期間は1ヶ月程度でした。
テスト&面談
ハローワーク経由で応募した後、現地でテストと面談を行います。
テスト内容は至って簡単な一般常識のテストです。
面談では今までどういう経歴だったのか、なぜこのコースの受講を考えたのか?等を聞かれました。
講師・生徒
講師は複数人いて、各科目で専属の講師がいるといった形です。
講師の方々はとても優しく時には厳しく、経験もあるので沢山のアドバイスを頂けました。
生徒は県内各地から集まっていて、年齢も20代から50代までと様々でした。
私の時は40、50代が多かったです。
年齢も高めということもあったのか、クラス全体は静かで互いに干渉することはほとんどない雰囲気でした。
講師の方が言ってましたが、クラスによってテンションが全然違うみたいです。
お金
先にも述べましたが、雇用保険受給者でしたのでお金をもらいながら受講できました。
別途テキスト代(市販のWebデザインに関する書籍)とお昼代がかかったくらいです。
また私の場合遠方から車で通学していたので、交通費としてある程度ガソリン代の支給もありました。
こちらは距離によるので、訓練校で手続きされる際に問い合わせてみると良いと思います。
職業訓練校・Webデザインコースの受講内容


主な受講内容
4ヶ月の受講内容ですが、大きく4つに別れます。
主な受講内容
- 就職支援 :社会人マナーや就職する意味、アサーションなど人間関係構築についての講義
- 基本的なパソコン操作
- Webデザイン:Webの基礎、HTML、CSSのコーディング、PhotoshopやIllustratorの基礎
- オフィスソフトの操作 :ExcelやWord、PowerPointの基礎
- 企業実習
受講内容を深掘りします
就職支援
転職時に使う資料(履歴書や職務経歴書)の作成、面接時のマナーなど就職活動に活かすためのものや、働くとはどういうことか?といったマインドセットを行います。
また、テーマを決めて生徒同士でディスカッションを行う機会もありました。



基本的なパソコン操作
Windowsの基本操作(ファイルやディレクトリの操作、その他設定)、タイピングを行いました。
全くPCを触ったことがない体でのスタートになりますので、基本操作ができる人にとっては少し退屈してしまう時間だったと思います。本当に1つ1つゆっくり行います。
タイピングはクセが結構あったので、この機会に基本を見直す良い機会でした。
Webデザイン
Webデザインとはどういった仕事なのか?といった概要から制作に関わるソフトの操作、実践を行いました。
この部分さらに深掘りします。
Webの基礎
Webの基礎では、サーバや通信技術、インターネットの仕組みに関して説明を受けました。またFTPソフトの操作も受けました。
どうしてWebサイトが見られるか?といった根本の部分でもありますし、実際のファイル操作でも必要な知識でした。
HTML、CSSのコーディング
テキストの例を使用してHTML、CSSのコーディングを行いました。
タイピングが全くできない人もいるので、1つ1つ丁寧すぎるくらい行います。
コーディングに関しては古い手法で行っていたので(floatをメインに使用)変に知っているとおや??ってなります。
内容は簡単なコーポレートサイトを0から実装していくといったものです。
ページ数は約3ページでした。
PhotoshopやIllustratorの基本操作
どちらも基本的な操作の解説と実践です。PCはこの授業だけMacで行いました。
講師の方がデザイナー勤務されていた先生でしたので、より実践的な使い方を教えていただきました。
Photoshopでは画像の加工、湯気の付け方といった技術面や解像度の説明をしていただき、Illustratorではロゴ作成を行う上で必要な技術を教えていただきました。
どちらもWebサイトの素材用です。
ちなみにですが、期間内でAdobeに登録すると学割で使用できます。
学割ですとおよそ半額に近い額で契約できますのでこれは大変助かります。
卒業作品制作
訓練校を卒業するまでに卒業作品(Webサイト)を作ります。テーマは自由です。
ここで作成したものはその後の自身のポートフォリオとしても使用できます。
オフィス系ソフトの操作
ExcelやWord、PowerPointの操作を学びます。
資格試験も希望で行いますので、資格取得に励む人も結構いました。
自分もその1人です。
個人的にはExcelの授業が一番面白かったです。
企業実習
訓練期間中の約3週間は企業実習期間でした。
私はこのカリキュラムを活用したくで訓練校に来たようなものなのでとても期待していました。
なぜならデザイン会社を体感できる機会なんてないからです。
実習先の企業は自分で選ぶか先生に紹介していただくかといった形式です。
しかしここで問題が。。。
ちょうど業界の繁忙期と実習期間が重なってしまっていたので、ほとんどの企業から「今時期はごめんなさい」といった形でお断りされました。
今逆の立場になってみて思うのは、繁忙期以外でもそんな余裕はないというのが正直本音な気がします。
私は幸いなことに先生のツテで、Webマーケティングをメインにされている個人事業の方にお世話になりました。この時の出会いは今も関係が続いています。
番外編
これは良い手段と言えるか賛否両論ですが、、訓練校生の立場を利用してできることがあります。
それは企業見学に行けることです。
ただの一般人がデザイン会社に見学行きたいと思っても普通行けないですよね?
訓練期間中であれば、Webデザインを学んでいる訓練生という名目なので理由としては何もおかしくないですし、訓練校にも許可されています。むしろ先生は推奨していました。
訓練の一環で、現地に見学に行くことは許されているので、授業を欠席したとしても給付金の対象になります。
※見学に行くことが大前提です
ですのでこれを使わない手はないと思います。
もちろんアポは必要ですのでご注意ください。しっかりと手順を踏めば見学先の企業も応対していただけます。
私は実際に3社ほど見学させていただきましたが、どこの企業様もご丁寧に対応していただいた上に、作品を見せてくれたり、持参した自分の作品の評価もしていただけました。



職業訓練校・Webデザインコースのメリット&デメリット


メリット&デメリットまとめ
ここまででのメリットについては以下の通りです。
職業訓練校・Webデザインコースのメリット
- 全体的に、理解や操作に慣れていない人に合わせて授業を進めるので置いていかれることはない
- あるに越したことはないが、全くの0知識から入校しても問題ない
- 質問がしやすい環境
- オフィス系の資格取得が可能
- 学校にある教材は無料で借りられる
- 同じ志の人と出会える
- Adobeのソフトが学割で使用できる
- お金をもらって受講できる
- 企業見学ができる(給付金対象内)
- 企業実習があれば現場を体感できるチャンスもある
- 全体的に、理解や操作に慣れていない人に合わせて授業を進めるので置いていかれることはない
- あるに越したことはないが、全くの0知識から入校しても問題ない
- 質問がしやすい環境
- オフィス系の資格取得が可能
- 学校にある教材は無料で借りられる
- 同じ志の人と出会える
- Adobeのソフトが学割で使用できる
- お金をもらって受講できる
- 企業見学ができる(給付金対象内)
- 企業実習があれば現場を体感できるチャンスもある
- 訓練期間中でも就活は可能
デメリットももちろんあります。
職業訓練校・Webデザインコースのデメリット
- 知識0を前提で行うので、ある程度知識があり操作性に慣れていると授業がつまらなく感じる
- 職業訓練校なので「Webデザイン」に特化したスクールではない
- デザインに関してはほぼ授業では取り扱わない
- Webサイト制作に関する学習内容は情報が古い
- 職業訓練校に通っていたことを快く思わない企業もある
以上のことから職業訓練校のWebデザインコースの受講に向いている人は以下のような人だと考えます。
職業訓練校・Webデザインコースに向いている人
- PC操作が全くわからないけど、今後操作を覚えていきたい
- 就職できるのであればWebデザインでなくても構わない
- コストがかからない状況でWebデザインがどういうものかを体感として得たい
- 自分で学習するのが苦手な人
職業訓練校・Webデザインコースに向いていない人
- 基本的なPCスキルがあり、独学も行える
- Webデザインに関してある程度技術と知識がある
- 習うより作って覚える or 覚えたい
- 1日でも早くWebデザイナーになりたい



個人的な感想
よく聞く話で職業訓練校のメリットの1つにお金をもらいながら受講できることが話に上がりますが果たして本当にメリットでしょうか?
確かに受給資格があり、勉強していてお金が入ると聞けばそうかもしれませんが、時間は3ヶ月も拘束されます。多ければ半年でしょうか。
3ヶ月もしくは半年、本気でWebデザインの勉強にフォーカスしたら結構なことを身につけれらます。
職業訓練校ではレポートの提出等何気にやることもあるので、日々の授業や作品制作のことも考えるともう大変です。
職業訓練校の受講内容が時間に見合ったカリキュラムかどうかは人それぞれですが、私は1日でも早くWebデザイナーになりたい人には職業訓練校のWebデザイナーはやめたほうが良いと思います。
理由は簡単です。
職業訓練校はWebデザインコースと書いていても本格的にWebデザインを学ぶ場ではないからです。
冒頭にも書きましたが「 職業訓練校はWebデザイナースクールではありません 」
時間は有限ですので、最短で進みたい人は私はオンラインスクールをオススメします。
訓練期間中に必ずやっておくべきこと


早い人は訓練期間中にも行いますが、職業訓練期間が終了すると一気に就職活動が始まります。
私の場合は訓練期間中に就職活動用の作品を作っていましたが、本当に先にやっておいて良かったと今でも思います。
作品制作はとても時間がかかります。企業に提出するポートフォリオはクオリティの担保はもちろん、複数の種類が必要だからです。
作品制作は必ずこまめに行うことをオススメします。



作品制作を訓練期間中に終わらせれば、すぐ行動に移せます
まとめ
いかがでしたでしょうか。
30代で職業訓練校のWebデザインコースに行くメリットは、その人のスキルによるところが大きいと思います。
実際に職業訓練校を経験し、現在Web制作に携わってみて当時の私に言いたいのは
何を経験してきたかよりも何が今できるのかが重要
ということです。
ある程度知識(それこそプロゲートやドットインストールが理解できるくらい)をつけたら、最短で考えているのであればオンラインスクールの活用をオススメします。
私も受講しましたが、職業訓練期間中に作品制作できたのはここで学べたことが活かせたからです。
同じ期間であればオンラインスクールを有効に使いましょう
オンラインスクールに関してはまた別途記事で書いていきたいと思います。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。